鉄筋コンクリート構造物では,微細空間で展開される材料組織形成,水分平衡・離脱,水和反応プロセスと,内部応力発生,変形,破壊進展等の機械特性を直に連成させて,材料・構造の力学特性を予測する体系の構築を目指している。巨視的に観察される時間依存変形・破壊現象を,材料内部の熱力学状態量と直結させて評価するものである。極低温から沸点近傍の温度範囲下のもと,オングストローム~マイクロメートルにまたがって分布する空隙中の水分凝縮,吸着,半結晶水の脱着と,液相-気相-氷相の3相平衡・移動現象をモデル化し,各々の特性に起因する力学的挙動を数量化することで,凍結融解作用下での部材損傷,若材齢ならびに硬化無機材料の収縮・クリープ現象の予測を試みている。これらの挙動を再現するために開発されたCOM3D-LINKが非線形力学解析COM3Dと材料解析DuCOMを一体化にした連成解析プログラムである。

*LINKソルバーが東京大学コンクリート研究室で開発されたプログラムです。

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